2013年10月16日水曜日

稲垣大さんより






出展者の稲垣大さんより転送です。



『家×クラフト』展の今年6月の初顔合わせの様子と所感です。
http://mammamia-project.jp/mammamia/gallery-exhibition/
『家×クラフト』

僅かここ10年こと。陶芸、木工、漆、染織、ガラス、金属など、量産窯でもなく特に屋号を持たない個人の工芸家が独立して活動の場を広めつつある。

それはその10年15年前に気づき始めた先輩たちが、個人的な関係はなくても目に見えない路線を造ってくれていて、もっといえば 今どきの“作家さん” ではない無名の職人たちが日の目を見ない時代を黙々と下請けとして“手で”造り続けた50年の恩恵があって、遡ればもっと過去にもつながる。

僕たちが始めた頃は、まだ平均台のように不安定な路を思い切って渡るような感じだった、そして独立して10年程経った工芸家たちが先日滋賀に集まった。

『そろそろ手仕事で、家を造ろう。』発起人が言った。

『なるほど、自然な流れだ。』皆が賛同した。

木工、陶磁器、ガラス、金属、和紙…などの作り手たち。

20年前の食器はほとんどが工業製品だった。
いま、生活の中に手仕事の日用品が増えてきている。

いま、ほとんどの家が工業製品になりつつある。
これからは手仕事の家が求められるのでは?という仮説…。
いや、現実的に創造していこうという事。

工業化してきた時代の中、イギリスではArts&Craftsが起こり、日本では民芸運動が起こった。時代の流れは止まらなかったものの思想として現代に根強く受け継がれている。

また工業化の時代の中にも世界中で優れた建築家やデザイナーが誕生しイタリアのガラスや北欧の家具などはデザインと職人のベストミックスが現在でも継続している。

『家×クラフト』のプロジェクトはそのスタイルともまた違うかも知れない。

早急に家を建てるコトを主眼としないで、大前提としての『家』に向けての物作りを開始しよう。
第1回目のミーテイングはいつまでも終らず深夜まで続いた。

写真は、発起人の川端健夫さんが改築して、和紙のハタノワタルさんが襖を張りなおした伊賀の古民家を土屋作庭所さんが作庭した庭から、朝露越しのの風景。

集まったメンバーは一旦、ここで解散した。
これからが楽しみだ。

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